ねえ、この地球でいちばん力を持ったモノって知ってる?
知らないんだ?
人間なのに?
悪魔の僕より知らないんだねぇ。
この地球でいちばん力を持っているモノって、地球だよ。
知らなかったんだ?
人間なのに?
悪魔のぼくの方が知ってるんだね…。
人間は地球に住んでいるのに、我が物顔で地球にのさばってるもんですからね、
ついつい口を出してしまったんですよ。
まぁ、若気の至りというやつですって。
あれ?
これを読んでる、この瞬間にも地球がいちばん凄いヤツだってことを知らない人がいましたね。
教えましょうか?
いらない?
そんなこと言わずに、聞くだけ聞いてくださいね。
地球って、60億人に踏まれ続けているんです。
当たり前だって?
まぁ、最後まで聞いていてください。
そんな地球だから、いちばんの力持ちってわけじゃないですよ。
60億人の土台だということです。
人間、ひとりひとりの土台。
わかりますか?
土台っていうのは、何を始めるにしても、土台がなければ何にも始めることさえできないんです。
土台があるから、人間は生きていけてるんです。
ちょっと話の規模が大きすぎましたか。
では、あなたの勤めている会社、ありますね。
会社がなければ、あなたは働けません。
自力で仕事を取ってきて、独立している人も居るでしょう。
そういった人たちは、ちゃんと土台を作った人たちなんです。
で、会社勤めしている人にとって見れば、会社が土台なんです。
では、もうひとつ。
あなたには家族がいますね。
…。
ひとり住まいだって?
あなたにも家族はいたでしょ?
お父さん、お母さんが。
で、そのお父さん。
その家の大黒柱ですね。
お父さんがいなければ、家に住むことができません。
大黒柱という土台がなければ、家を持つことが難しいんです。
そして、土台はみんなに力を分けてくれてるんですよ。
土台が力を持ているってわかりましたか?
では、話を地球に戻しますね。
地球は人間の土台です。
力を人間に分けてくれる、最大の土台なんです。
その力を利用することができれば…。
ぼくたち悪魔も太刀打ちできません。
地球を相手にしても、勝てませんから。
その地球の力を利用する方法を、昔の人がすでに考えついていたんですね。
ぼくの口からはこれ以上は言えません。
この力は強すぎますし、ぼくたち悪魔の首を締めてしまうことになりますから。
この話をしたのは、この地球そのものが破壊され、大変な時期に来ているからなんです。
じゃなければ、こんな話、怖くてできません。
悪魔でも、怖いものはあるんです。
あとは勝手に地球の力を利用する方法を探してください。
それを知るのは、一部の人だけでいいんです。
ぼくたち悪魔にまで、影響がないようにね。
………オイ、こらぁ。
なんだってあのことをしゃべってるんだよ。
マジでオイラたちんとこに来られたらヤバイって。
地球を味方につけた人間なんて相手にしたくねぇからな。
とは言うものの、地球が人間の手で破壊されてるのも事実だしな。
…しまった!
聞かないことにしておいてくれ。
しゃべると、ろくなことになりそうにないんで、オイラそろそろ行くわ。
なんだかんだと言いながら、地球のことだけは心配みたいです。
なんせ、ぼくたち悪魔にとっても、地球は住みやすいですから。
ほかの星にいる悪魔に見せてあげたいくらいです。